バレンタイン…。

僕の誕生日でもある今日は、去年は貰えなかったチョコが、今年は少しだけ誕生日プレゼントとして、もらえた。

後は沙雪から…。
夏音は、今日、家に忘れた、という理由で、夜に持ってきてくれるらしい。

「悠ちゃん!かえろ?」
「ん、ちょっと待って?」
「はーい。」

僕は急いで帰る準備をした。
あの海に行った日から、僕達は手を繋ぐようになった。

「おまたせ、帰るぞー?」
「はぁい!」

沙雪は、自分の席から立ち上がり、鞄を持った。

「はい、悠ちゃん。」
「ん…。」

僕は沙雪の手を握った。
最近は、沙雪が手を差し出して待ってくれる。

しばらく歩くと、何時も行く公園が見えた。
「悠ちゃん、今日も行くでしょ?」
「沙雪は?ブランコ乗りたい?」

沙雪はこの前来たとき、ブランコで一人はしゃいでいた。
なんだか、この前、ブランコで遊んでる?彼氏と彼女を見たらしい。

「きょ、今日はいいもん!!」
「へぇー?」
「でも、公園は行くからね?」
「…どっちだよ。」