「…悠、ちゃん?」
「…えっ?」
「コーヒー、頂戴?」
「…あぁ。」
もう、どうでもいいや。
沙雪の笑顔が見れるなら。
「美味しい?」
「…にっがーい!」
「当たり前だろ!?ブラックなんだから!」
「悠ちゃんのバーカ!あ、悠ちゃんもどーぞ?ココア!」
「え?や、いいよ!俺は!」
親友の彼女だし。
でも、沙雪が僕のを飲んだなら同じか。
「いいから!はい、どうぞ!」
沙雪はそう言うと僕に無理矢理コップを持たせた。
「はい、飲むっ!」
「…わかったよ。」
そう言って僕は沙雪のココアを口にした。
罪悪感と、少しの喜び。
なんだか僕は変態みたいだ。
「どう?悠ちゃん!美味しい?」
満面の笑みで身を乗り出しながら聞いてくる沙雪。
「…あっまーい。」
「ちょ、なによっ?その反応!」
「なにって、沙雪の真似だけど?」
「悠ちゃんってば最低ー!いくよっ?」
「はいはい。」
「悠ちゃん、そればっか。「はい」は一回!」
「はい。」
結構沙雪はわがままみたいだ。


