まず最初に沙雪につれられて着いたのは、最近女の子たちの間で人気になってるらしい、落ち着いた感じのカフェ。


「悠ちゃん、入ろう?」
「ん…。」

カフェのドアを開けると、木で出来たカウンターから、白いエプロンをつけた店員さんが出てきた。

「いらっしゃいませ。2名様でよろしいでしょうか?」
「あ、はい。」

僕がそう言うと店員さんは少し笑って僕達を案内してくれた。
店内は暖房が効いていて、暖かい色をした電球が僕達をさらに暖めてくれた。

「悠ちゃんは何飲む?」
「あ、んじゃあ俺はブラックコーヒーで。」
「わ、すごいねー!ブラックなんて!」
「そんなことないって。沙雪は?何飲む?」

僕が沙雪の方を見ると沙雪はメニューとにらめっこしていた。
そんな沙雪が少し子供っぽく見えて、気がつけば顔の筋肉が緩んでいた。

「んーっとね、ミルクココアにする!」
「うわ、甘そう…。」
「うるさいっ!甘党だからいいの!」
「はいはい。」

すると沙雪は少し満足げに笑って、店員さんに注文をしていた。

しばらくすると、店員さんが僕の注文したコーヒーと、沙雪のココアを持ってきてくれた。

「いただきまーす…」

そう言ってから沙雪は少しだけココアを飲んだ。
僕は沙雪が飲んだのを見てから、コーヒーを口にした。

「美味しいー!悠ちゃん、美味しいよ!」
「ん、良かったじゃん。」
「悠ちゃんの、美味しい?」
「ん?あぁ、美味しいけど?」

沙雪は僕の顔を見ながらもう一度ココアをコクッと飲んだ。