シュウジが中へ入ると、一斉に

「おかえりなさいませ、シュウジぼっちゃま」

という黒服の男たちの出迎えがあり、そこから内藤が、飛びだし、

「ぼっちゃん、さあ、上へどうぞ、ボスは、特別看護室にいます」

とシュウジを誘導した。

エレベーターに乗り、シュウジは内藤に、

「親父の容態は?」と聞いた。

「幸い重症ながら、言葉もしゃべれます、安心なさって下さい」

との内藤の答えに、シュウジは少しほっとした。

「チン!30階です」

特別看護室へついた、シュウジは、父である大春雅義に近寄った。

「シュウジか!このドラ息子め、心配かけおって」

シュウジは言い返すように、

「どっちがだよ!まじで心配したんだぞ!」

と涙ぐんでいる。

「シュウジ…すまん」

頑固な親父の謝罪に、シュウジの目からは涙が流れていた。

「だれにやられた」

「分からん、ただ肌の色が紫に近かった」

「白鳥のボスだ!」

すると内藤が、

「これは、いよいよ、うちが手をくださなければならないようですねボス、ぼっちゃん」

とドスの効いた声で言った。

「黒龍が、白鳥を潰すのはいいけど、黒猫まで潰さないでくれよ」

とシュウジは少し、恐々しく言った。

黒龍の本気を知っているからである。

「その件は内藤から聞いている、黒猫には手を出さない、が、シュウジ、お前の身柄は拘束させてもらう」

「冗談じゃないぜ、俺には大事な仕事が…」

と言いかけた時にはもう黒服たちがシュウジを囲んでいた。

「ともかく、この一件が終わるまでは、大人しくしていてもらおう」

シュウジは身柄を拘束された。