シュウジはテントに近寄ると、

「リーチ」

と叫んだ。

すると、テントのむこうから、

「ロン、大四喜」

という声が聞こえた。

「ミキ、内藤、喜べ、今日はコウ爺、かなりご機嫌らしい」

「???」

みな狐につままれたような顔をしている。

「とりあえず、入れてくれるみたいだ、中入んな」

テントは迷彩柄で、一軒家くらいある大きさだ。

シュウジ、ミキ、内藤が中に入ると、中には電動麻雀卓とコウ爺、周りには大量の武器、弾薬、コウ爺の他に奇術師のような男に占い師のような女がそこにいた。

「シュウジ、待っとったぞい、ほれ座れ」

コウ爺にそう言われシュウジは雀卓に座る。

「わりいけど、今日は勝たして貰うぜ、こちとら金欠でタバコ賃にもことかく身でな」

すると占い師の女が高笑いして、

「シュウちゃん、聞いたわよ、貴方、”黒猫”に手を出してボコボコにされて身ぐるみはがされたって」

「ちっ、アキ姉、そういうことは言わない約束だろ?」

「あら、いいじゃない、
怖いもの知らずの若さって素敵よ」

そう言うと、占い師の女は雀卓中央のボタンを押し、サイコロを転がした

「右10コウ爺ね」

「ふうっ、まったく、あれほど”黒猫”とは揉めるなと言っておいたのに


コウ爺がサイコロを振った。

「といひち、ほれ、シュウジじゃぞ」

シュウジは嬉しそうに、

「出親はゲンがいいんだ」とにやけ面だ。