シュウジは拘束された部屋の中で内藤に話しをしていた。

「白鳥のボスはまさに魔人だ。マシンガンも大砲もききゃあしねえ、で、 俺がやる予定だった、ウイークスナイパーでのスナイプを内藤、お前に頼みたい」

「承知致しましたぼっちゃん」

「作戦は今夜決行、頼んだぜ」

シュウジはそう言うと、
ベッドに横になった。

「ふかふかのベッドもたまにはいいもんだ」

そう言うとシュウジは寝息をたてて眠った。

どれくらいたっただろうか、シュウジが飛び起きるとすでに外は真っ暗だった。

「内藤、死ぬなよ」

祈るような気持ちで帰りをまっていた。

いっぽうその頃、コウ爺のもとに、黒猫のメンバー数人とコウ爺の息子であり黒猫リーダーのシチョウが、訪れていた。

「今回の大春氏、襲撃に伴い、本格的に黒龍が白鳥討伐に乗り出す構えだそうじゃ」

「それは心強いな、下手すりゃ俺たちの出番はないんじゃないか?」

シチョウは続ける。

「こんな時の為のシュウちゃんだからな、うまくいって内心ほくそ笑んでるんだろ親父」

「ふんっ、どうとでも言え、ワシはなかなか見所のあるガキだから良くしてやったにすぎん」

「本当かぁ?」

シチョウはニヤニヤとしている。

「おそらく、明日の我々の衝突を待たずして黒龍は動き出すじゃろう」

コウ爺が言った。

「問題は、黒猫の存在が知られており、最悪、白鳥とともに葬り去られる
かもしれんということじゃ」

「シュウジのやつがなんとかしてくれるだろ」

シチョウが言う。

「黒龍はそんなあまっちょろい組織ではないぞ、
元黒龍の暗殺部隊だったわしが言うんじゃ間違いなかろう」

「親父が元黒龍?初耳だな」

「あれはまことに恐ろしい組織じゃった、目的の為なら死すら恐れぬ異常な集団じゃ、白鳥といえど、今回ばかりはただではすまんじゃろう」

「こっちにとっては好都合じゃあねいか」

「阿呆!よく考えてみろ、スラムの税収、密貿易による収益の管理権、すべて黒龍にもっていかれたら、我々は生きるすべを失うんじゃぞ」

「いっそのこと黒龍の傘下に入るか」

「それが今のところ、もっとも懸命な案じゃな」

コウ爺は俯きながらそう言った。