オオカミ少年

…どうしよう。
さっきから葵と廉が楽しそうに話してる。
私、置いてかれてる…。

「ねえ、廉君のタイプは?」

さっきから葵と廉ね会話はこんな感じ。
そして質問する度、葵は満面の笑み。

でも、私もタイプ気になるな。

「…好きになった奴がタイプ」

葵と私がガクッとなった。

「…ねえ、廉って呼んでいい?」
「別に」

私、完璧に置いてかれてる。

「…アンタさあ。俺のこと好きだろ」

私は固まった。
いきなりの一言に。
こんなん好きって言うに決まってるじゃん。

「うん、好き」

廉は何て言うの?
やっぱり付き合うの??
私とキスしたのに??

私は呆然と廉と葵を見ることしか出来なかった。

「…こういう事とか望んだり?」

廉が葵の顎を掴み顔を近づけた。
それに反応し目を閉じる葵。

何かが吹っ切れた。
…ヤダ。

「駄目ー!!」

私は自分でも知らない間に二人の間に割り込んでいた。

葵は軽く私を睨む。
「ほ、ほら。道端だし、ね??」

そんな言い訳もきく訳がなく葵は私を睨み続ける。

「私もキスしたーいとか?」

…図星。
意地悪に微笑む葵は葵じゃないみたいだ。