「いい加減に止めねーか?」

「こればっかりはムリかも」

彼は池田晋。

晋って書いて、まもるって読む。

夢に登場した幼なじみ。

腐れ縁ってやつで、幼稚園の年中から

ずっと同じクラスになった。

「乗り遅れるぞ」

慌ててバスに乗り込んだ。

大きな校舎。

これには噂がたえない。

この学年にいる、小峰海の父親の財閥。

小峰財閥の資金で建っているから

娘の海にも頭が上がらない。

そんな金銭面の噂も多い。

本当かどうかなんか分かんないんだから

いちいち騒ぐ必要なんかないと思う。

「空、おはよ」

「雪…おはよう」

彼女は島崎雪。

小学3年生の時からずっと仲良がいい。

「晋君一緒じゃなかったの?」

「そう、いつも同じじゃないって」

「おっ…晋君の恋人っ」

後ろから現れたのは、本城希。

「だーかーらー」

「ただの幼なじみ…でしょ」

「分かってんじゃん」

「そう思ってないのがいるって事」

言ってる意味が分からずにため息をつく。

「おはようございます」

生徒会のメンバーが挨拶をしている。

そのなかで一際目立つのが

北野潤。

キラキラ笑顔はまるで天使だと先輩も虜にする。

役職は生徒会副委員長。

「おはよ、朝からお疲れ様」

「ううん…楽しいよ」

「かわいいっ」

雪も希ちゃんもメロメロにしてしまう。

「希の浮気者ぉぉ」

「誰が浮気者や、ハゲ」

パンと叩かれたのが、小畑玲。