どれくらい……歩いただろう。

壁伝いに廊下を移動し、一部屋ずつ足を踏み入れ、何かが足元に引っ掛かれば触って調べる。

落ちているのは木片や、ジュース缶等のゴミばかりだ。

この際……明るくなってから探した方が効率的かもしれない。

心霊体験をしたいという目的は果たせた。

だから人形探しをするなら、深夜の廃校舎というシチュエーションにこだわらなくても……


――ヒタ……ヒタ……


また……足音。

彼女はずっとこうして“友達”を探し続けているのかもしれない。

人形はどこにあるんだろう……


ふと、あの映像の事を思い出した。

マヨちゃんは、どこで人形を落としたんだ?