「もうちょっと大きいほうがよかったけど。ま、いっか」 爽哉は、あたしをじっ、と見つめた。 茶色と薄い黒が混じった瞳。 その瞳は…逃げづらい。 「あの…爽哉。家、すぐそこなんだけど…」 頑張って目をそらして、話しかけた。 爽哉は、ちぇっ、と言って、手をふる。 「諦めるかな。姫の大きい声、聞けたし。 じゃ、またな」 あたしも手を振って歩きだした。