「姫って呼ばないんだ? 王子様は残念だね、お姫様を守れなくなって」 アリス達がからかっても、爽哉は笑って、 「いいんだ。…大地が泣かしたら、守るから」 「王子様はいましたね、乃愛さん」 「へこんでませんね、王子様」 からかいすぎのような気が…。 止めようかと思ったけど、爽哉も悪い気はしてなさそうだった。 「こいつらなんて放っといて、行こう杉浦」 言葉はいつもと同じなのに、手をひくことはしない。 本当に別れたんだな、と実感した。