桜が綺麗に咲く。 花びらが、はらはらと散る。 髪の毛についた花びらを、爽哉がとってくれた。 「可愛いね」 目の前に見える、きらきらしたモノに向かって言った。 「若いな」 笑いながら、爽哉も言う。 爽哉も若いじゃん、とあたしも笑う。 本当に、若い。 若くてうらやましい、とまでは思わない。 だけど、期待に満ちた表情が、まぶしい。 今、あたしは 真っ暗だから…。