一気に罪悪感がうまれて、走って駆け寄る。 爽哉は、あたしを抱きしめた。 「もう…どこ行ってたんだよ。ケータイ、置いてくし…。すっげー心配したんだぞ?」 耳元で囁かれて、心臓がはねた。 でも、前みたいに、鼓動がすごく速くはならない。 気付いたから…。 「ごめんね。いきなり走ってくんだもん…」 ウソをついた。 手を振りほどこうと思えば、振りほどけた。 あたしは、しなかっただけ。