ひらひらと風に舞う、黄色い銀杏の葉っぱ。

涙のようで……切ないよ。


体育館から微かに聞こえてくる、誰かの歌声と大勢の歓声が、

彩人くんの、小さな泣き声を包み込む。



静かに時間が流れて――――…



少しだけ落ち着きを取り戻した彩人くんが、


「今、サラは新しい恋をしてる」


ゆっくりと頭を上げた。



「え?」

わたしの肩は軽くなったけど、心は重たくて……痛い。



「それは、仕方がない事だからあきらめてる。でも、どうしてもあきらめられない想いがあって……」


涙のあとを拭いながら、彩人くんは何かを言いかけたんだけど。


そのまま黙ってしまった。



あきらめられない想い――。



恋しくて……切なくて。
その人のために流した涙。


気づいたばかりの、
わたしの「好き」の気持ちとは、比べものにならないくらいに。



深い想い――…




「ごめん」


突然、謝った彩人くん。



「どうしたの?」


わたしが聞くと、


「女のコの前で泣くなんて、何か情けないっつーか、照れる」


彩人くんは少し恥ずかしそうに、頭をかいた。