「彩人くん……話があるの」


緊張して、声が震えた。


少しの沈黙の後。


「まずは……座りなよ」


彩人くんが、明るい声で言った。



「そ……そうだね」

わたしは、彩人くんの隣に腰を下ろした。



金色に輝く太陽の光が、彩人くんの茶色い髪に反射する。


まぶしいよ……。



「話って、何?」

いつもと変わらない笑顔。
いつもと変わらない口調。


それだけで、涙が出るくらいに安心する。



「……訂正するね。あのね、聞きたい話があるの」


わたしは、真っ直ぐに彩人くんを見つめて切り出した。



「コレの事でしょ?」

彩人くんが、今日もちゃんと付けている、左耳のピアスを指差した。



コクン。

わたしは黙ってうなずいた。