♪――――…



『さっきの着メロ、すっごくキレイな音色だった……』


『ああ……アレね。ある人に教えてもらった曲なんだけど、気に入っちゃってさ。CD買って毎日聴いてる』


『そうなんだ……』


『今日は持ってきてないんだけど、今度CD貸してあげる』


『えっ、いいの? 毎日聴いてるんじゃ……?』


『いいよ。俺の代わりに、ゆんちぃが聴いてくれるなら、それで充分だよ』


『――――?』


あの瞬間。

静かに星空を見上げた、彩人くんの横顔が。

どこか遠くに感じたのは、どうしてだろう?




――ざわめく教室の中。


このあと起きる、悲しい展開も知らず。


わたしは、このCDを受け取った――。