翼を失くした天使の羽音

――不思議な女のコだ。


胸の奥が熱い。



人混みの中に紛れていった、彼女の笑顔が――。


いつまでも、俺の心の中に住みついたんだ。




まさか。



その女のコと、同じ高校に通う事になるなんて……。



その女のコに恋をして、心が通い合う日が来るなんて……。




あの時の俺は、知らなかったけど。



優音……。



あの日、あの時。


俺のピアスを拾ってくれて。



光り輝く世界を、もう1度見せてくれて。





ありがとう。




本当に、本当に……。



心から、そう思ってる。




俺は、「2度と捨てようと思わない」と誓ったピアスを外した。


そして、それよりも遥かに大切な――大切な。


優音の元へ走り出した。





[END]