「話してくれて……ありがとう」


わたしは、ぎゅっと彩人くんの手を握り返した。



サラさんには、きっと敵わない――。


相手の幸せを1番に考えられる人。
すごく、素敵な人――。



わたしも、頑張ってイイ女にならなくちゃっ!

そんな、わたしの心の声が聞こえたのか……。




「優音ー……もぉー可愛すぎ!!」


「え?」


と、思う間もなく。




Chu☆


彩人くんの唇が、わたしの唇に重なった。
それは、ほんの一瞬の出来事。


だけど、わたしにとって、宝物のような瞬間だった。