「告白されたぁ!?」


奏子ちゃんが絶叫する。



その日の放課後――帰り道。


秋風に吹かれながら、わたしと奏子ちゃんは並んで歩く。



「それで?」


奏子ちゃんが瞳をキラキラさせる。



「別に、何もないよ」


「えー。何で? 咲坂兄に、付き合って、って言われたんでしょ?」



「それはさー、何か……その場のノリって感じだったし……あのあとすぐに先生が来て……」




――『じゃあ、またね。ゆんちぃ』――



「何事もなかったみたいにケロッとしてたし、きっと冗談だったんだよ」



ゆんちぃ、ってあだ名を付けられたけど。



「えー、生まれて初めてされた告白が、冗談?」


「あはは」


もうわたし、笑うしかない。



「咲坂弟も、何で優音をフルわけー。優音を悩ませて……あの双子、信じられない」



奏子ちゃんが自分の事のように怒ってくれる。


それが奏子ちゃんの優しさなんだって、ちゃんと知ってる。



だから、あの時――…