「お待たせ」


びっくりして放心状態のわたしに、笑いかける彩人くん。


「え? どうしてここに?」



あれ?


その前に――…

さっき、確か…………。



「優……音……って…………」



名前で呼んだ?



「優音に会いたくて……ここに来れば、優音に会えそうな気がして」



優音……。
ゆんちぃ、じゃなくて……?


優音って、名前で呼んでくれた。



それが嬉しくて――…

会えた事が嬉しくて――…



頭で色々と考えていた事を全て忘れて――…




「――――――好き」



思わず、想いが溢れてた。



ドキン――ドキン。

飛び出してしまった言葉に、心臓もびっくりしてる。




だけど……。



「今の……聞かなかった事にする」



真面目な顔で、きっぱりと彩人くんが言ったんだ。