「――え…?」


天人くんの言葉が、ようやく心に届いて。



瞬間、

ドキ……ドキ。


胸が苦しくなった。




「だけど……あの時は、ああ答える以外……考えられなかった」


天人くんの顔が曇っていく。




どういう事?

奏子ちゃんが言ってたように、何か理由があるの?





「どうしても、彩人の気持ちを尊重したかったから……」



彩人くんの名前が出てきただけなのに、わたしの心は緊張する。




「彩人くんの気持ち……」



サラさんへの気持ちでしょ?

わたしとは関係ないよ?




「神崎さんはね、サラさん以外で初めて……彩人の心を動かした人なんだよ」




――――――――へっ?