「天人くん、何でそんな絵を描いたんだろうね。優音が、窓際の席にいたのって、

優音が天人くんに告白する前だったよね」


「え…………うん」



「天人くん、自分の気持ちに嘘ついてると思う。優音の気持ちに応えなかったのかは、何か理由があったんじゃないかな」


「……え」



「今日、天人くんと一緒に帰るんでしょ?」

奏子の言葉に、黙って頷いた。



「本人に、ちゃんと本当の事を聞いたほうがいいよ」




何?
どういう事?


天人くんが、嘘をついてる?



何のために――?





キーンコーンカーンコーン……




そして、あっという間に放課後。



わたしは、心ここにあらずの状態で。

渡されたスケッチブックを鞄の中にしまって。



天人くんが待つ校門へ急いだ。