「いらっしゃいませ!」



珍しくうちにお客様がやってきた。

お母さんもお父さんも、朝早くからの来客に喜びを隠しきれないみたいで、忙しそうにお店の中を走り回っている…

大して忙しくもないくせに。



あまりお客様が来ないのは当たり前。

何せうちは、自称・『珍しく、高価』なものを取り扱う骨董品屋。

そんな店に、常連や賑やかになるほどの客数は訪れないのである。