パラレル・ワールド~君と僕の今




俺は反射的にレイの頬に手を伸ばし、その涙をそっと拭った。



「目を閉じるとさ、いつも見えるんだよね、碧い空が。

多分これは、父さんの背に負われて見たチベットの碧い空。

あんな小さかった時のことなんて、覚えてる訳ないって思うけど、そう思わずにはいられないんだ」


赤ん坊ん時にチベットの山奥で生き別れた、レイとレイの両親。


そっかぁ……

碧い空ねぇ……