白い約束

『さっきから面白いね。えっと…桐生さん。』



『えっ…!?』



『だって“知ってるん”とか“してるねん”?とか。関西の方なんですね。イントネーションが面白い。』



『大阪に居たから、ずっと。高校は神戸やったけど。』



彼の表情はまた曇る。



『冴嶋さーん!検温の時間ですよー?』



看護士が私を呼ぶ。



『はーい』と立ち上がり、彼に『サヨナラ』を言った。



『あ…!待って…!』



彼は私を呼び止めた。



『いや…、何でもない。さっきは、驚かしてごめんな。』



また寂しい笑顔。



『いいえ。彼女さん…記憶戻るといいですね。サヨナラ。』



最後にニッコリ笑って別れた。



彼の悲しみが、少しでも和らぐように。



精一杯の笑顔で───。