白い約束

彼の腕の中で私は固まる。



『なんでやねん…!なんで忘れるん…?俺そんなん嫌や…!』



ハッと我に返り、彼を突き飛ばす。



『やめてください…!』



『ごめん…。』



肩を落とす彼に、次にかける言葉が見つからない。



彼は立ち上がった。



『ここに…俺のすげぇ好きな人が入院してるねん。』



『そうなんですか…。』



『でも、その人…俺のこと忘れてるみたい…。それが今、めっちゃ辛い…。』



流れる涙を拭いながら、彼は言う。



『辛いのは…あなただけじゃないかも。』



『えっ…!?』



『私も、多分きっと…その彼女さんと同じ立場だと思うから。』



『自分が記憶ないこと、知ってるん!?』



真剣な彼の表情に、プッと吹き出してしまう。