まさにそれは、奥に秘めた光と闇が交差している。 しばし見とれている自分に気付き、慌ててイスに座るよう促す。 『はじめまして。担当医の廣瀬です。あなたのことは、カルテを通してある程度は知っていますが、話をするうちに何か思い出したことがあれば、どんな些細なことでも僕に教えてください。』 淡々と説明するが、どうやら俺は緊張している。