『あぁ。学費のことなら心配するな。学費用で置いてあったんだから。多希の好きなように使いなさい。』



私は司を見つめた。



司も優しく微笑んでくれている。



『ありがとう。もう一度、頑張ってみるよ。』



『それじゃあ多希、また薬科大学に?』



母親は言う。



『だって通ってたんでしょ!?何を目指していたかはわからないけど、取れる資格は取ろうと思って。それに…。』



もう一度、司を見る。



『私も、医療の道に進みたいって思えるようになった…。司のおかげ。』