『ねぇ、お願いがあるの。』



夕食時、私は言った。



目の前には、父と母。



そして、隣には司。



全員が揃った時に、打ち明けたいことがあった。



『なんだ?』



そう言った父親の目を見つめた。



『私を…もう一度、大学へ行かせてください。』



頭を下げて、本音を伝える。



きっとみんな、びっくりしたに違いない。



二年遅れのスタートだけど、迷いはなかった。



『多希…、本気なの?』



母親は心配そうに、箸を休めた。