白い約束

眠れぬ夜を過ごした。



俺の居ないところで、多希に記憶が戻ってるんじゃないかと不安に襲われる。



次に逢えば、ただの担当医でしか接してもらえないんじゃないか。



『あなたは誰ですか?』って言われることが、一番怖い。



覚悟して、好きになったはずなのに。



もうコントロール出来なくなるなんて。



『多希……。』



静まり返った部屋に虚しく残る声。



浅い眠りに何度か落ちては、覚めるを繰り返した。



少しずつ夜は更けていく。



ただただ静かに……。