白い約束

『もし、彼を見れば…思い出してくれるかもしれないですよね……!?』



訴えかける瞳から視線を外す。



『…確率は充分にあります。でも、危険な賭けであることは確かです。』



『どういうことですか!?』



『今の彼女は、新しい記憶の中で生き抜こうとしています。もし何かのきっかけで、事故以前の記憶が戻った場合、今ある記憶が失われる可能性があります。かなりの負担が予想されますが、彼女自身が、事故以前の記憶を取り戻したいと願えば…、やってみる価値はあると思います。』



今の俺に、これ以上言える権利はあるのだろうか。



『確かに…両親には反対された二人だけど、あれだけ想い合っていた二人だからこそ…乗り越えてほしいって。でも、それって私の独りよがりですよね。本当に愛し合ってる二人なら…自然とまた結ばれますよね…!?』



愛し合ってるなら……か。