白い約束

『その前に、私の元に彼から手紙が届いたんです。別れても、二人の気持ちは同じでした。多希は両親に内緒で、彼に会いに行くつもりでした。もちろん、私の家に泊まると口実をして。彼は、多希に伝えてほしい、日本に帰ったら一番に逢いに行く。逢いに行くからって。すぐにそれを伝えたあと、きっと居てもたってもいられなくなったんだと思います。事故に遭ったって聞いた時は…心臓が止まるかと思いました。だって…私が伝えなければ、事故に遭わなかったかもしれない……!』



『いや…、藤岡さん、だったかな?それは違うと思うよ。君が悪いわけじゃない。聞いた話の上では、遅かれ早かれ冴嶋さんは彼に逢いに行っていたはずだ。』



『でも…多希は彼のこと、覚えてません。私…、二人に申し訳なくって…!彼、もうじき日本に戻ってきます。』



彼女の言わんとすることがわかってしまう。