白い約束

『若すぎて…好きな気持ちだけじゃどうしようもなかった…。多希も、両親に反対されたことが一番響いたみたいで。自分の力を思う存分発揮して、結果を出してから好きなことをやれって両親に言われて、本当は無理だろうと言われていた薬科大学に一発合格した時は、さすがにビックリしたけど、一流大学に入ればきっと認めてくれるって多希は言ってました。本気で認めてもらいたかったんだなって、彼とのこと。合格するまでの多希の努力は、計り知れないものだったから…。』



当時の多希を知らないだけに、胸が締めつけられた。



『初めてバイトしてお金貯めて…、彼に会いに行く途中でした…。事故に遭ったのは…。』



カップを持つ彼女の手が微かに震えている。