安堵の表情を浮かべている。 『良かった〜!』 そう言って勢いよく私を抱きしめた。 ほのかなフローラルの香り。 『菜穂ちゃん…。』 後ろから声をかけたのは母親だった。 彼女と母親は見つめ合う。 またしても、両親の悲しそうな顔。 私…、こんな顔ばかりさせてるな…。 『菜穂ちゃん。ごめんなさいね。事故以前のことは、覚えてないみたいなの。もしかしたら、菜穂ちゃんのことも…。』