怖くなって、司を揺さぶってしまう。
『ねぇ!?正直に答えて…!』
『医学的に……そのケースはないとは言い切れない。』
真っすぐ見据えるその瞳に、ウソはない。
『失った記憶が蘇る時、様々なケースがあるけど、心身ともにかなりの負担がかかるんだ…。中にはまた、昏睡状態に陥る人も居る。かといって、何かの拍子にいとも簡単に記憶が戻ることだってある。本当に、予測不可能なんだ。多希が言うことも、俺は覚悟の上だよ……。』
『私は嫌だよ!司が居なくなるなんて考えられない……!』
溢れ出す感情を止めることができない。

