目が覚めた。



白い天井。



白いカーテン。



消毒の匂い。



頭の中は起きてるのに、重い瞼。



重い身体。



ここは………、



何処………!?



遠くで誰かが大きな声を出してる。



『多希…!多希…!!』



私……!?ここにいるよ!?



でも、身体がうまく動かないの。



声も出ない。



私、どうしちゃったのかな!?



いつの間にか、私の周りにたくさんの人が集まっていた。



医者はこう言った。



『あなたのお名前、言えますか?』



え…?この人なに言ってるんだろう。



私の名前は………!



口をわずかに動かしてみるも、声にならない。



『声、出ませんか?』



医者の問いに、ゆっくりと頷いた。