ただ、君がすきなんだ。




俺の声に反応して、
優菜の肩が小さく動いた。

俺は続けて話しかけた。




「HR始まるぞ」




その言葉が気に障ったのか、
すごい顔で睨んできた。



「なによ・・・。
あんたには関係ないじゃん。
先生にでも頼まれたの?

あたしのことはほっといてよ!!」




優菜の大きな声が
音楽室に響いた。


俺はこのとき
察したんだ。




陽と夢羽が俺に普通に接してきた
理由を。





優菜も俺と“同じ”だからだ。