「乗れだぁぁぁ~!?ざーけんな(人の気も知らないで)」

私は啓太の無神経さになんか腹が立って、背中を・・・飛び蹴りした。


「おっまえなぁ~!いってーだろぉ?人の親切を踏みにじりやがって!」

啓太は「可愛くねぇオンナ!」と言いながら、バイクから飛び降り、私にウェスタンラリアートをかますと、首に腕を巻きつけ、引き摺るようにバイクに乗せた。


「命懸けで俺に抱きつかねぇと、車道に振り落とすぞ!!」


私の返事なんか待たないで、私にズボッとヘルメットを被せると、バイクを勢い良く走らせた。

景色が爽快なくらいビュンビュン飛ぶ。


し、死ぬ……。

気絶死にするぅぅぅぅぅ。


私は啓太のウエストをめいっぱい締め上げた。


家の前に着くと、啓太は私のヘルメットを乱暴に脱がせると、ビシッと指を私の眉間に合わせた。


「葉っぱ如きの分際で!いいか!!今日のことは恩を売ったんだからな!覚えとけ!
死ぬほど感謝しろ!!」

「だ、誰も乗せてなんてゆってないじゃん!心臓発作で死んだらどうしてくれるんだよ!」

「お前は一度死ね!」


私達はお互いに「ばーか!」と言い合ってあっかんべぇをしながら別れた。



小学生か……うちら……。


部屋に入ると冷静になる自分に真っ青になる。



もう、きっと告るなんてゼツボー的だ。

そんなことしたら、啓太はきっと抱腹絶倒で、とっとと死ぬだろう。


あーもぉー。

なんか余計に、モーレツにむかついてきた。