想い人〜許されないこの想い〜

「もし…もしもだぞ?

……俺に奥さんがいなかったらお前はどう思う?」

――だった。


「え…?」

《そんなの…嬉しいに決まってる!!まだ私にも望みがあるって思える!!

でも…もし、奥さんがいなくても、私とあなたは『先生』と『生徒』……》


私が黙っていると

「………まぁいっか!!

ほら、早く前村の所に行ってやれ!!

じゃあな!!」

あなたはそう言って、廊下の奥のほうへと消えていった。


あなたの質問に答えられなかったのは、何故でしょうか…?

もしも…の話だったから?

『先生』と『生徒』の壁のせい?


……どっちにしろ、私に一歩踏み出す勇気が無かったからでしょうね。