《っ!!痴漢だ…どうしよう…。》

手を掴んだり、「やめてください」と言うべきなのだろうけど、恥ずかしいという気持ちと勇気の無さから、そんなことはできない。



私がこうして途方にくれている間にも、痴漢は私のお尻を構わず撫で続ける。


恐怖と嫌悪感から、私の足は震えだす。


《嫌だ…嫌だ…誰か助けて!!》

そんなことを思っていると、突然痴漢の手が離れた。



「うちの生徒に何してるんですか…!?」
低い声が頭上から降ってくる。


見ると、あなたが痴漢の手を握って上にあげていた。

「な、何を言うんだ!?」
痴漢の人は四十代位のおじさんだった。

こんな人に触られていたと思うと吐き気がする。