「ごほんっ…。」



手を口に当てて咳ばらいをする理事長の姿が目に入る



あたしと水嶋海貴はあのあと無事に入学式を参加したのだが体育館退場した後に2人一緒に理事長室に呼び出されていた



「2人はなんで入学式に遅刻したのかな?」



理事長は優しい言い方をしているようだが口は笑っていても目は笑っていなかった



その恐怖にあたしは思わず目をつむる



「寝坊です。」



って……えぇ!そのまんま言っちゃうの~!?



あたしはつむっていた目を見開いて横にいる水嶋海貴を見る



顔色一つ変えずに言った水嶋海貴はまるでそんなの平気だというような態度を取っている



「佐々木さん。貴女は?」