天花への想いに気付いてから二週間が経っていた。

 その間、二人の関係に変化はない。

 天花は直の想いに気付く様子もないし、直も接し方に変わりはないので、二人の関係は友達止まり。

 一つ変わった事といえば、直にとって天花と同じ部屋で暮らす事が苦しくなった事実のみ。

 ベッドは違えど、近いものは近いし、最近では毎日ドキドキして寝不足気味である。



「はいっ。食べてー」

 教室で過ごす昼休み。今、自分の机の上にあるものはお弁当。

 それも天花が作ったお弁当。

「……ぇえ?」

「だからー、お弁当作ったから食べてってばー」

 弁当箱を開けてみると、意外とまともなおかずが詰まっている。

 前みたいにおにぎり弁当とか、スイートポテト弁当とかではなく、お母さんが作ってくれるような普通のお弁当だ。

「天花が作ったの?」

「そうだよー。こないだのお礼ー」

「こないだ……?」

「変態さんから助けてくれたでしょー? そのお礼。だから食べてねー」