ストロベリー革命

 天花は部屋を出て、共同で使っているキッチンへ向かった。

 共同キッチンは寮の各階に一つづつ設置してあり、誰でも自由に使えるのだ。

「焼きいもがダメならスイートポテトにしましょー。それで残りのさつまいもは家に送ろ」

 キッチンがあっても世間知らずのお嬢様達は、料理が出来ない人の方が多い。

 家庭科で調理実習はあるが、その時初めて包丁を持つ人も中にはいる。

 そんなお嬢様達はいくら自由に使えるキッチンがあっても、滅多に利用しない。

 案の定、天花がキッチンへ行くと、そこには誰一人としていなかった。

「皆料理しないのかなー」

 あまり使われていないキッチンは、流し台の周りもピカピカで汚れがない。

 天花は早速作業に取りかかる。

 さつまいもを電子レンジで柔らかくし、なめらかになるまで潰した。

 スイートポテトは小学生の頃、授業で作った事があるため、作り方はだいたいわかっている。

 タネが出来たので、卵黄を塗ってオーブンの中に入れた。