ストロベリー革命

 両手いっぱいのさつまいもを持って部屋に帰ると、

「もうお風呂入ったのー?」

 お風呂上がりで上半身裸の直が頭を拭いている。

「こんな格好の時に帰って来んなー!!」

 天花が部屋のドアを閉めていなかったので、直はバレないように素早く閉めた。

「あーっ、腹筋割れてるー!! 触らせてっ」

 可愛い顔で女装していてもやっぱり体は少年で、直の腹筋はくっきりと割れて筋肉がついていた。

 天花は興味本意で“触らせて”と言っているが、そんなの男の直からすれば絶対無理である。

 ただでさえ最近は天花の近くにいるだけで心拍数が上がるのに、体を触られるなんてもってのほか。

「ふざけんな変態っ!!」

「ちょっとだけだよー。おねがーいっ」

 直はもう限界といった表情だが、天花の方はケロッとしていて、特に何も考えていない様子。

「ちょっとだけでもイヤっ!! お前アホかー!!」

 天花に触られるのを防ぐため、直は急いで服を着た。