ストロベリー革命

 女の子の格好をしている時は、恥ずかしい言葉だって言える。

 完璧なお嬢様を演じる事が出来る。

 しかし男に戻った時、それがまったく出来なくなる。

 ある意味重症な病気かもしれない。

 そんな自分がなんだか腹立たしくなって八つ当たりをしてしまうが、天花は気にしてないのか、気付いてないだけなのか、いつも自分に笑いかけてくる。

(……天花のバカっ)

 こんな事を思っているが、直の心の中には天花の笑顔が好きな自分が存在する。

 男としてただ単純に可愛いと思う事もあるし、元気になれたりするのだ。

 だがそれは同室で、しかも男とバレたがために意識してしまうのかもしれない。

 天花じゃなく、他の誰でも良かったのではないだろうか。

 複雑な乙女もどき心である。



「……起きろっ!! もうお昼だよ!!」

 翌日の昼過ぎ、直はこの三年寝太郎を起こすのに手こずっていた。