ストロベリー革命

「だからお願いっ!! ……ついて来てくれなかったらバラしちゃおっかなー?」

「ちょっとーっ!! 俺の弱味を握ってそんなに楽しいのっ!? 天花のバカバカバーカッ!!」

「言わないってー、冗談だよー。だって好きな事が出来なくなるのは辛いでしょ?」

 まったくヒヤヒヤさせる奴である。

 天花は悪びれた様子もなく、無邪気な笑顔を直に向けた。

「でもそうだなー、直が来てくれないなら誰と行こー?」

 再び振り出しに戻る。最後の頼みの綱まで消えてしまってはあとがない。

 といっても、他に特に仲の良い友達がいるワケでもないし、先は真っ暗である。

「……いいよっ」

「えー?」

「い、行ってやってもいいよって言ってんのっ!! もう一回言わせたら俺ついて行かないっ!!」

「ホントー? ありがとっ! 嬉しいなぁー」

 素直すぎる天花の喜びに、直は返す言葉が見つからない。

 素の、男の自分は女の子の時と違って、なかなか素直になれないのが悩みなのだ。