ストロベリー革命

 直はこの趣味のおかげで、小学生の時はいろいろ言われてきた。

 それなりに辛い幼少時代を送って来たのだ。

 だが、そんな事があっても女装を続けてきたのは、本当にそれが好きだからである。

 今更誰にも言うつもりはなかったが、バレたものは仕方ない。

 仕方ないけど、今まで内密にしてきたのにこんなにあっさりバレるとは、自分はアホだと思った。

「そうなのー? ちなみにあたしの趣味は農業だよー。それでね、好きなものはばあちゃんが作る煮物でー、嫌いなものはじいちゃんのオナラなのー」

「……天花、じいちゃんのオナラ臭いって寝言で言ってた。それで俺に枕投げつけてきた」

「うっそだー!!」

「ホントだよっ!! 今朝せっかく俺が起こしたのにビクともしなかったんだ! それどころか攻撃してきて、恩を仇で返すとはこの事だっ!!」

 まったくその通りである。人が親切にしてやったのに、天花はそれを無駄にした。

 その上遅刻までして、明日の朝罰で草取りとは、いいざまだ。