ストロベリー革命

 こうして、天花は成り行きで園芸部に入部する事になった。

 園芸部が廃部になる。すなわち、畑や花壇を手入れする人がいなくなるという事。

 そんな事絶対あってはならない!! と、天花がそれを許すはずがなかった。

 それでも入部した事で、学園の畑や花壇を自由に使えるし、欲しかった土も分けてもらえたから、気分はルンルンである。

 うかれついでにスキップなんかしながら、寮へ帰って行った。

 何気なくドアを開くと――

「……どちら様ですか?」

 そこには絶対にあってならない男の姿があった。

 着替え中のため上半身は裸であり、平べったい胸が一面に広がっている。

 それなのに目線を上にしていくと、髪は黒くて短いが、顔は可愛らしいお姫様なのだ。

「あっ、わかった―――っ!! 君は直の生き別れの双子だあッ!!」

「アホか―――っ!! 俺は双子じゃないし、生き別れの兄弟なんかいない!!」

「そっかぁー。じゃあ誰ー?」