ストロベリー革命

「何言ってんのー!? 手を汚さないと農業は出来ないんだよー。あたし決めたんだ。ここで野菜作って家に送るのー! ねっ、いい考えでしょ?」

 同意を求められてもゆかりは『うん』とも『すん』とも言えない。

 農業などやった事のない自分にはどうでもいい事だから。



 その日の夕方、天花はさっそく園芸部の元へ向かっていた。

 ゆかりに教えてもらった通り、迷いながらもなんとか部室棟の前まで一人で来れた。

 来れたのはいいが、はたして土を分けてもらえるだろうか。

 分けてもらえなかったら園芸部員になっちゃえ!! と心の中では思っている。

 それなら最初から入部したほうが早いのだが……。

「すいませーん!! 土を分けて下さいっ!!」

 部室のドアを開けると同時に、天花は頭を下げた。

 深々頭を下げているのに返事がないなー、と思っていたが、それは部室の中に三人しか生徒がいないからだ。