ストロベリー革命

「ホントだよー。だって起きたら直いないんだもん」

「直っ!? もしかして天花さんは水樹直様と同じ部屋だと言うの?」

「うん、そうだねー」

 まあっ!! と、ゆかりは手を口に当てて、大袈裟に驚く。

「あの方は中等部のプリンセスよ! 羨ましいですわ」

「プリンセスぅー? 確かにお姫様みたいだよねー」

「新入りはお黙りなさいっ!!」

 下敷きを武器に、天花はほっぺたを叩かれた。

 何か悪い事でも言ったんだろうか、と心配になるが、そういう意味ではないらしい。

「私から見ればプリンセスとお姫様は、天と地ほど差があるのです!」

「意味は一緒じゃん」

 確かに天花の言う通りだが、ゆかりのお嬢様的考えは一般庶民と違う。

「宜しいですか、天花さん。プリンセス、とお嬢様。響きが全然違うでしょう?」

「うーん……、よくわかんないけど、どっちでもいいー」

 天花があまりにも無関心なので、ゆかりはとうとう諦めた。

 というか、最初からどっちでもよかったのだ。